今年4月に兵庫県立大学大学院社会科学研究科教授の筒井孝子先生をお招きして行った研修の第2弾です。看護必要度チームを多職種8名で結成し、院外研修を受け、みんなで勉強しあって今回に臨みました。
研修スケジュールは次の通りです。
1. 講義:知る・使える・活用する看護必要度
2. 講義:ワールド・カフェ方式 看護必要度B項目を活用してケアの質を深めよう
3. 演習:グループワーク ワールド・カフェ方式
4. グループ発表
研修生は、法人内の病院・施設から多職種23名が集まり、4グループに分かれて研修を行いました。研修生には、事前にグループワークで使用する事例の読み込み、看護必要度について学習をしてきていただきました。
「知る・使える・活用する看護必要度」の講義では、看護必要度の開発とその歴史、看護必要度評価の実際とその特徴、マネジメントツールとしての看護必要度のお話をしました。
次に、演習のオリエンテーションとなる“ワールド・カフェ方式”について看護課長から説明をしていただきました。
そして、演習です。
事例の看護必要度のB項目評価から気になる項目をピックアップします。
なんと、4グループとも“食事摂取”を選びました。誤嚥のリスクが高い患者の食べたいという欲求が強い事例だったためでしょう。
大きな模造紙の真ん中に“食事摂取”と書き込み、演習スタートです。まず、食事摂取と記載した周りに、考えられる『ケアの課題』を青色の付箋に記載し、貼り付けていきます。
ここでのポイントは、このような状態になっているのは、どういう問題があるからなのかということです。その問題に対し『対応(支援内容)』を思いつく限り、ピンク色の付箋に書いて貼っていきました。
最後に、『連携する職種』を黄色の付箋に書いて貼ります。
職種は1職種とは限らないので思いつくまま記載してもらいました。
次は、各テーブルに1人のホストだけを残し、他のメンバーは旅人とし別のテーブルに移動しました。新しい組み合わせになるので、改めて、ホストが自分のテーブルでの対話の内容について説明します。
旅人は自分のテーブルで出たアイデアを紹介し、繋がりを探求します。
そして、旅人が元のテーブルに戻り、旅で得たアイデアを紹介し合いながら対話を継続します。
グループ発表です!
いかがですか?
総研修時間は1時間で、演習は30分です。その短時間で、青・ピンク・黄色の付箋がこんなにたくさん貼ることが出来ていました。
例えば、薬剤の苦みで食事がすすまないという青色の付箋に対して、『薬剤変更』や『剤型変更』というピンクの付箋が貼られ、その対応する職種として薬剤師という黄色の付箋が貼られていました。
研修を実行していた看護必要度チームのメンバーは、「院内連携を考えることが出来ればいいね」と話していましたが、とんでもない! 研修生は、『この患者さんは自宅への退院を希望している。その間に老健に行く予定になっている』といって、地域連携にまで発展して考えることができていました。
恐るべし、鴻池会!
法人の特性上か、退院支援の経験則があり、予想以上のディスカッションがみられました。もっと研修時間があれば良かったなと思わせるものでしたが、チームメンバーから“積み重ねが大事”と金言があり、納得。
これからも、しっかり継続していこうと改めて感じる一言でした。
そして、何より、実行した看護必要度チームのメンバーが“楽しかったなあ~”と言ってくれたのがうれしかったです。
良き仲間たちと、多職種協働を進めていき、もっと、より良い支援に繋げていきたいです。
2024年11月
Comments