11月7日(木)、佛教大学 精神看護学 教授 末安民生先生に、『これからの精神科看護とその能力-ブロッキングとリフレクティングの理解-』 についてご教授をいただきました。今回は、看護管理者研修として、病院・訪問看護・老健施設の看護副部長、課長、係長、主任の27名が参加しました。
まず、はじめに「リフレクティング・プロセス」の体験をしました。
リフレクティング・プロセスとは,ノルウェーの精神科医トム・アンデルセンによって提唱された家族療法の手法で、面接のなかで、スタッフのやりとりを家族が観察できるようにしたところ、それだけの工夫で、その後の会話は大きく変化したそうです。
研修では、まず2人組Aが “今の心配事” を語りあい、別の2人組Bがその話を聞くことに徹しました。次に、それを聞いていた2人組Bのみで対話をしました。また次に、2人組Bの対話を聞いたAの2人組が対話をするといったものです。
このやりとりのなかで重要なポイントは、黙って聞いている人はその対話について頭の中で一緒に考えているということです。つまり、黙っていても話し合っていることになり、このことを「内的会話」というそうです。
聞くに徹することで頭の中で話す内容を整理することが出来るので、次に話す内容が変わってきます。
また大切なことは、患者さんや看護学生、職員との会話のなかで、沈黙があっても対象は頭の中で懸命に考えているんだという見方ができることです。頭の中で考えていることをスラスラ言語化できる人もいますが、なかなかみんなそういう訳にはいきません。
自分自身もいつもうまく回答できるとは限りませんので、沈黙が起きたとしても恐れることはなく、そして、対象がうまく答えられず沈黙になっても、“いま、頭の中で懸命に考えているんだろうな”って思えば気持ちを楽にして関わることが出来ると思いました。
そして、もう一つご教授いただいたことは “ブロッキング” です。ブロッキングは、相手の話を聞いて自分の体験と重なると思えると、全く同じ体験ではないのにもかかわらず、同感したり、同情することによって、相手の話の続きや、相手がその体験を通して言いたい意見をブロックしてしまうことだそうです。
先ほどのリフレクティング・プロセスの対話のなかで、話し手が、話したことで満足したり、安心することが出来たのかと振り返りました。
2時間の研修はあっという間に終わり、もっと、お話を伺いたかったです。
しかし、末安先生からたくさんの資料を頂いたので、読み返して学習を深めたいと思います。すぐに実践に繋がるか不安ですが、末安先生からは、“気づくことから始まる” とご教示いただきましたので、肩の力を抜いて前進したいと思います。
学ぶことや気づくことで看護師としての責任や役割意識が変わり、ひとりひとりの主体性が増して、職員が感じる“働く意味”が変わってくるということを再確認出来ました。
本日の学びを鴻池会の看護のブラッシュアップにつなげたいと思います!
末安先生、ありがとうございました。
2024年11月
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